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鹿部町の水産会社が「たこうどん」  地元で親しまれているタコの頭を食べやすく商品化

たこうどんを商品化した海鮮商店社長の木元貴光さんと営業マーケティング担当の木元宏耶さん

たこうどんを商品化した海鮮商店社長の木元貴光さんと営業マーケティング担当の木元宏耶さん

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 鹿部町の水産会社「海鮮商店」が4月14日、ミズダコの頭の部分を細長く切った新商品「たこうどん」を発売した。

タコの頭をやわらかくボイルして細切りにした「たこうどん」

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 「たこうどん」は、鹿部の海でとれたミズダコを塩でもみ、ぬめりを除いてから釜ゆでして食べやすく細切りにした製品。タコ本来の味と食感を生かすため、ゆで時間に気を配り、「生とボイルの中間のような状態」に仕上げた。どんな料理にでも使えるように味付けはせず、ボイルの際に塩を加えることもしない。製品は冷凍の状態で、自然解凍するだけでそのまま刺し身で食べられる。

 「鹿部のミズダコは通年水揚げされており、豊洲市場をはじめ全国各地に出荷されているが、そのほとんどが足の部分。頭の部分は主に地元で消費されてきた」と社長の木元貴光さん。刺し身はもちろん、フライパンで軽く火を通して味付けしたり、カレーの具材にしたりとさまざまな食べ方で地元の人に親しまれており、木元さんも日頃から頭の部分を好んで食べていたという。

 状況が変わったのは、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた昨年春以降。自粛に伴って全国的に生鮮食材の需要が大きく落ち込み、鹿部町の漁師や水産業者も深刻な影響を受けた。

 「これまで以上に浜を支えるため、地元に貢献できる商品の開発が必要だと感じた」という木元さんは、タコの頭に新たな価値を付けるため、約2年前から構想していたタコの頭の細切りを商品化しようと決意。太めのうどんほどの幅があって色が白いことから、イカの身を細切りにした函館の名物「イカそうめん」にちなんで「たこうどん」と名付けた。「やわらかい食感と食べやすさを両立した、ちょうど良い太さ。みじん切りにもしやすく、さまざまな料理に活用できる」という。

 商品化に当たって刺し身を含む10種類の食べ方を考案し、インターネットで公開した。軽く洗って水気を取ったたこうどんを酢飯の上に並べて刺し身しょうゆを垂らす「たこうどん丼」が同社のお薦めで、「ホタテの貝柱、イカ、タコを合わせたような不思議な食感と味わいが楽しめる」という。

 タコ漁を行う地元の漁師からも「やわらかくてうまい」「ゆで加減がちょうどいい」と好評で、木元さんは「漁師さんがうまいと言うものは絶対うまいと信じてやってきた。漁師さんのお墨付きをもらったので、自信を持ってたこうどんを売っていきたい」と意欲を見せる。

 希望小売価格は1袋(200グラム入り)=600円~900円。鹿部町のスーパー「小板商店」内の出雲鮮魚店、道の駅しかべ間歇泉公園などで取り扱う。本年度のふるさと納税の返礼品にもなる予定。

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