上川大雪酒造(北海道上川町)が函館市亀尾地区に酒蔵を新設するのに先立ち、酒の販売を担う新法人「函館五稜乃蔵(はこだてごりょうのくら)」が7月16日、純米酒「五稜の予感 純米十勝(とかち)」を発売する。
「五稜の予感 純米十勝」は、道南産の酒造好適米「彗星」を全量使い、帯広畜産大学(帯広市)構内にある上川大雪酒造「碧雲(へきうん)蔵」で醸造した純米酒。ラベルには函館の夜景写真をあしらった。アルコール度数は15度で、「すっきりとした味わい」に仕上げた。
函館五稜乃蔵がオリジナル商品を発売するのは、4月に続いて2度目。前回は上川町の「緑丘(りょっきゅう)蔵」で大雪山系の伏流水を使って仕込んだ純米酒を1800本限定で販売し、発売後すぐに完売した。今回は2000本に増やし、前回と同じ1本(720ミリリットル)1,320円で販売する。地酒の蔵舎、小口商店、越前屋、地酒屋醸函館店、地酒・ワイン屋みのや、イチマス(以上、函館)、稲村屋(北斗市)の特約店7店のほか、函館市内を中心とした酒販店で取り扱う。
上川大雪酒造の広報担当者は「前回は大雪山系の超軟水を使った純米酒だったが、今回は中硬水で仕込んだ純米酒。酒米は同じだが、仕込んだ蔵と水による味わいの違いを感じてもらえたら」と話す。「酒蔵が完成した折には、さらに違う味わいの酒が生まれるはずなので、予告編として楽しんでほしい」とも。
酒蔵の完成は11月中旬~末ごろの予定で、年内か年明けには函館生まれの日本酒を出荷できる見込みだという。