函館市街地の明かりが霧に覆われて幻想的な風景を作り出す「雲海夜景」を撮影した写真が現在、SNSで話題を集めている。

あんさんが夜景の1週間前に撮影した早朝の函館

　話題になっているのは、函館でフリーフォトグラファーとして活動している「あん」さんが5月28日にツイッターとインスタグラムに投稿した写真。手前の一部を除いて函館の街並みがすっぽり霧に包まれ、建物の明かりや街路灯などがぼんやり夜空を照らす情景に「やっと撮れた！　函館山からの雲海夜景。毎年タイミング合わせれず、本当に『やっと』です笑　何度も撮ってる人には大したことないことかもしれないけど初めての私は感動しました！」（原文ママ）とコメントを添えて投稿したところ、ツイッターでは180以上のリツート、1200以上のいいねが寄せられている（6月1日現在）。

　あんさんによれば、写真は5月27日23時30分頃に撮影。初夏に出やすい雲海夜景を撮影するため、函館山山頂から見える雲海をよく撮影している知人に予想を聞き、函館山山頂のライブカメラ映像をチェックしてから函館山山頂の展望台に向かったという。

　現地では40分ほどの間に約20枚撮影したが、雲海の掛かり具合が「最も絶妙」だったのがこの一枚。手前の木々の間にある薄い霧の部分もはっきり分かるように編集しており、空をよく見ると星が写っているのも分かる。投稿に対し、「地元だけど、こんな幻想的なの見た事ないです」「宝石みたい……　雲海と夜景って、奇跡に近い景色かもしれないですね」「函館山の雲海こんな綺麗（きれい）なんですね。実物見に行きたい」「大きくして額装して飾りたい」（以上、原文ママ）などのコメントが寄せられた。

　反響の大きさについて、「気持ちが追いつかなかった」とあんさん。「ただ、自分としても最高に撮れたと思った一枚なので、とてもうれしいし納得している。この函館の景色を広めたいと思ってリツイートしてくれた人たちがたくさんいたことも感謝」と喜ぶ。

　あんさんの遠い目標は「函館でずっと写真を撮り続けて、全国的に有名なおばあちゃんフォトグラファーになること」。今後の活動について、「ずっと函館で写真を撮っていると、何てことない普通の路地でも、ここから函館山がいい感じに見えるんだよなとか、秋のこの時間帯、いい感じに電線に夕陽が当たるんだよなとか、当たり前だけどたくさんある。何十年住んでても全く知らない道もあるので、そんな場所を見付けて函館、道南の風景を記録していきたい」と決意を新たにする。