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ブリの活用拡大に向け「函館ブリ塩ラーメン」開発 函館朝市などで提供へ

スープやトッピングにブリを使った「函館ブリ塩ラーメン」

スープやトッピングにブリを使った「函館ブリ塩ラーメン」

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 海の問題解決に向けたさまざまな取り組みを展開する一般社団法人「Blue Commons Japan(ブルーコモンズジャパン)」(函館市旭町)が6月10日、道南産のブリを使った「函館ブリ塩ラーメン」の試食会を開いた。

土産物店などで販売する「函館ブリ塩ラーメン」

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 日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、前身の「はこだて海の教室実行委員会」時代からブリの活用に取り組んできた同法人。海洋環境の変化によって近年函館近海で漁獲量が急増しているブリの消費拡大と食文化への定着を目指し、これまでに「函館ブリたれカツ」「函館ブリたれカツバーガー」などの新グルメを考案してきた。

 「函館ブリ塩ラーメン」は、さらに多くの人にブリを食べてもらうため、加熱したブリを乾燥させて作る「ブリ節」を使って流通可能な製品を作ろうという趣旨で開発。うまみ成分イノシン酸が多く含まれていることや、函館産ブリの「脂が少ない」という短所がブリ節作りでは長所となることもラーメン作りを後押しした。昨年試作し、イベントで振る舞った函館ブリ塩ラーメンのコンセプトを踏まえつつ、土産品としても常温で販売できる製品として考案した。

 スープは、スタンダードな函館塩ラーメンの清湯(チンタン)スープにブリのうまみを凝縮したエキスを加え、「広がりのある味わい」を演出。道産小麦「きたほなみ」を使った特注の麺を合わせた。ブリの切り身をしょうゆベースのたれに漬け込み、表面を炙(あぶ)った「ブリチャーシュー」をトッピング。ブリ節を粉砕した「ブリ粉」を仕上げにのせ、ブリの香りとコクを強調した。

 参加者からは「魚臭さがなく、うまみが感じられておいしい」「ブリチャーシューは食べ応えがある」「ブリ節の味が際立っている」「あっさりしているが、ブリ粉を溶かしながら食べるとインパクトが感じられる」などの声が聞かれた。

 小西鮮魚店(豊川町)の小西一人社長も「これまで、痩せたブリには利用価値があまりないとされてきたが、ブリ節として活用することで需要が生まれる。現在、道内ではブリの加工品があまり作られていないが、これをきっかけにブリのさまざまな活用法が考案され広がってほしい。北海道はブリが有名だというイメージが定着すれば、土産品としてのブリ加工品需要も伸びてくるのでは」と今後の展開に期待を寄せる。

 函館ブリ塩ラーメンは、6月25日に大門横丁内にオープンする新店舗と、7月18日に函館朝市えきに市場内にオープンする「函館朝市地(じ)ブリショップ」で店内飲食メニューとして提供する予定(価格未定)。店の味を再現した土産用ラーメン(2食入り、972円)も6月25日より、市内土産物店などで販売する。

 同法人事務局長の国分晋吾さんは「ブリを食文化として定着させるため、まずは地域の皆さんに食べていただきたい。観光でお越しの方も、『函館はブリもおいしいんだ』と認識するきっかけにしてほしい」と話す。「おいしく食べて、海洋環境についても考えてもらえたら」とも。 

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