世界遺産登録に向けて縄文文化のPR活動を行う団体「縄文DOHNANプロジェクト」がこのほど、道内唯一の国宝「中空土偶」をデザインした感染予防啓発ポスターを制作し頒布を始めた。
同団体は、中空土偶を有する函館から縄文文化を発信するとともに、1万年以上にわたって助け合いつつ暮らしていた縄文の精神性を次の世代に伝えることなどを目的に、昨年7月に発足。産学官民のさまざまなメンバー30人以上が参加し、縄文時代を学ぶ紙芝居の制作や小学校での公開授業、中空土偶をモデルにしたグッズ製作など、幅広い取り組みを行う。
今回制作したポスターは、「北海道・北東北縄文遺跡群」を構成する入江・高砂貝塚(洞爺湖町)と亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)からそれぞれ出土した土偶と中空土偶の3体がマスクの着用と手洗いを呼びかける図柄。中空土偶のキャラクター「カックー」を考案した函館在住のイラストレーター、なっき45さんがデザインした。ポスターの下部には、皆でこの事態を克服しようとの思いを込めて「(縄文人は)自然災害や大変な時があってもみんなで助け合って乗り越えてきたんだ。みんなも、手洗い・うがい・マスクをつけて元気に予防をしようね」とのメッセージを記した。
プロジェクトの代表を務める山田かおりさんは「大人も子どもも外出自粛でストレスがたまっており、マスクが不快で着用を嫌がる子もいると聞く。ポスターを見て、少しでも楽しく予防する気持ちになってくれたら」と期待を込める。
ポスターのサイズはA4・A3・A2の3種類。掲出に協力する幼稚園・保育園や病院、その他店舗や一般企業などに無償で頒布する。申し込みは、縄文DOHNANプロジェクトのフェイスブックページ、または同プロジェクトの連絡先である山田総合設計(TEL 0138-56-7556)まで。