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函館・道南で行き場を無くした土産菓子の地元向け格安販売広がる

問屋が抱えている在庫を買い取り、薄利で販売している「はっぴーディアーズ」

問屋が抱えている在庫を買い取り、薄利で販売している「はっぴーディアーズ」

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 緊急事態宣言に伴って観光施設などの休業が続く中、本来なら観光客向けの土産品として売られるはずだった菓子類を地元向けに格安で販売する動きが広がっている。

「はっぴーディアーズ」が買い取った過剰在庫の菓子の一部

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 長万部町で菓子の製造販売を手掛ける「はっぴーディアーズ」は、不良在庫となった土産菓子などを取引先の問屋から仕入れ、主にネット通販に取り組んでいる。

 4月下旬、在庫を抱えていた問屋から土産菓子30ケースの買い取りを依頼されたのがきっかけ。担当者は「うちのような小さな会社にまで声を掛けてくるのだから、本当に困っているに違いない」と買い取りを即決したという。

 幸いにも引き取った菓子の売れ行きが好調だったため、問屋が抱えている不良在庫の土産菓子を全量買い取ることを決断。4月22日、山積みになった菓子の箱の写真に「コロナで納品できなかった問屋さん救うために全部買ってあげた」と添えてツイッターに投稿したところ、リツイート数5900以上、いいね数8700以上を集めた。買い取った120ケース以上の菓子は、店頭とネット通販であっという間に売り切れた。

 その後も問屋から請われる度に不良在庫を全て買い取り、ほぼ利益無しで販売している。不良在庫の買い取りと販売を始めてから、ツイッターのフォロワー数は約300から8000以上に急増した。担当者は「少しでも問屋を助けたい。問屋から安く買って当社だけがもうけるわけにはいかないので、売り上げは全てツイッターで公開している。この機会に多くの人に当社を知ってもらい、ファンになってもらえれば」と話す。

 セブン-イレブン函館五稜郭公園前店(五稜郭町)も、物産展中止や観光客減少で過剰在庫となった菓子や食品類を製造元から仕入れて格安で販売。ツイッターで入荷を告知しており、市民から好評を博している。

 菓子卸売問屋のムロタ(宝来町)は大型連休明けから、過剰在庫となった土産菓子の詰め合わせ販売を自社倉庫で始めた。5月29日までの月曜・水曜・金曜の11時~14時の日時限定で、3,000円相当の詰め合わせを1,000円で、6,000円相当を2,000円で販売している。市内への配達や地方発送も行う。

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