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函館のライブハウス「あうん堂」、ライブの代わりに青空市始める

近郊で採れた野菜やオリジナルグッズなどを販売している

近郊で採れた野菜やオリジナルグッズなどを販売している

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 函館のライブハウス「あうん堂ホール」(函館市松風町)が休業要請期間中に始めた「青空市」が人気を集めている。

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 青空市は毎週土曜・日曜の11時~15時に開催。あうん堂ホールのロゴ入りTシャツやステッカーなどのグッズのほか、近郊の農家直送の野菜、手作りの布マスク、障がい者が働く事業所の製品、ドリンクなどを販売している。最近は、地元の職人が作るできたてのおはぎも人気を集める。当初は「青空市」の名の通りホールの外で開く予定だったが、天候の関係などで今のところホール内で開催している。

 同店は新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念され始めた2月末にいち早く自主休業に入り、その後は無観客の生配信ライブを行うアーティストに無料でホールを貸し出す取り組みなどを続けてきた。

 だが、緊急事態宣言が全国に拡大されて道の休業要請が出てからはそれも難しくなり、しばらくは何もできない日々が続いた。そこで、同店が掲げている「多目的スペース」としての活用に立ち返り、休業要請の対象外であるテークアウト販売と物販で構成する青空市を始めることに。運営責任者の笹井完一さんは「ずっと閉まったままで周囲に心配をかけるのも心苦しく、せめて週末だけでも動いている姿を見せようと思った」と振り返る。来店者が長時間とどまるのを避けるため客席などは設けず、店頭販売のみとした。開催情報はSNSで発信しており、老舗のライブハウスを応援しようと来店する地元ミュージシャンや音楽愛好家、一般市民らが入れ替わり立ち替わり訪れる。

 緊急事態宣言と道の休業要請は既に解除されたが、同店はライブハウスとしての通常営業再開には慎重な構えを見せており、当分は青空市を継続する考え。笹井さんは「社会の動向を踏まえつつ、万全の態勢で感染防止対策を講じたうえで営業再開を迎えたい。厳しい状況だが、そのおかげで幾つもの新たな取り組みに踏み出すことができ、とてもワクワクしている。今取り組んでいることが明日につながると信じてやっていきたい」と力を込める。

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