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幕末の貨幣「箱館通宝」がレプリカで復活 古銭マニアと造形師が手を組み

箱館通宝のレプリカと本物の母銭・通用銭

箱館通宝のレプリカと本物の母銭・通用銭

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 イベント運営などを手掛ける団体「DKS企画」が、函館で幕末に鋳造された貨幣「箱館通宝」のレプリカを製作し、4月11日から販売を始めた。

函館公園にある箱館通宝銭座跡の碑

 箱館通宝は、物々交換が主流だった蝦夷(えぞ)地に貨幣を多く流通させる目的で、当時の箱館奉行が幕府の許しを得て鋳造した鉄銭。現在の函館公園の裏門付近(函館市谷地頭町)に銭座(=貨幣鋳造機関)を置き、1857(安政4)年2月~1858(安政5)年11月の2年足らずの期間に1億65万枚を鋳造した。箱館奉行は蝦夷地限定の通貨として流通を図り、人々も当初は取引に便利だとして歓迎したが、製法が粗悪だったために次第に嫌うようになり、やがて流通しなくなったとされる。

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 「せっかくこの地に貴重な歴史があるのだから、いつか箱館通宝のレプリカを作ってみたいと思っていた」と、DKS企画代表で古銭コレクターでもある田村実さん。旧知の仲で、地下アイドルグッズの開発や造形の分野で第一線で活動してきたJUNさんが2019年に函館にUターンしたのを機に、実現に向けて二人三脚で動き始めた。

 道南建設新聞社の代表でもある田村さんが調べたところ、製作時期や経緯は不明ながら、建設資材などを扱っていた函館の企業が少なくとも30年以上前に記念品として箱館通宝の大型のレプリカを作っていたことも分かり、「もう一度箱館通宝をよみがえらせようとの熱意が高まった」という。箱館通宝本体の製造は、JUNさんがこれまでの経験と知識を生かして東京の専門業者に依頼。台紙は市内の印刷業者に発注し、台紙への取り付けや包装などは2人の手作業で仕上げた。

 完成したレプリカは、表の「箱館通宝」と、安政を意味する裏面の「安」の文字、円形の穴などをできる限り再現。鉄銭を鋳造する際の元となる銅製の「母銭」をイメージした銅色と、鋳造された鉄銭(通用銭)をイメージした銀色の2種類を各250枚製作した。

 ツイッターで紹介したところ、函館の歴史に興味を持つ人や古銭が好きな人に加え、人気アニメ「ラブライブ! サンシャイン!!」のファンからも「ぜひ手に入れたい」との声が多く寄せられた。同作品に登場する函館在住のスクールアイドル「Saint Snow(セイントスノー)」のミュージックビデオで箱館通宝が小道具として使われているためで、JUNさんは「当初はアニメにも登場しているとは知らなかったが、さまざまな方から反響があるのはうれしい。函館ならではの土産品として楽しんでほしい」と話す。

 価格は800円。はこだてグリーンプラザ(松風町)で毎週日曜8時30分~14時ころ開催のフリーマーケットで販売するほか、DKS企画のツイッターアカウントへのダイレクトメッセージで発送の依頼を受け付ける。

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