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函館公園「こどものくに」 存続をかけたクラウドファンディングに支援広がる

存続の危機にある函館公園の遊園地「こどものくに」がクラウドファンディングを始めた(2019年撮影)

存続の危機にある函館公園の遊園地「こどものくに」がクラウドファンディングを始めた(2019年撮影)

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 新型コロナウイルス感染症の影響で存続の危機にある函館公園の遊園地「こどものくに」が4月28日に始めたクラウドファンディング(CF)が、開始5日目で目標の50%に当たる500万円を突破した。

函館公園「こどものくに」を運営する加藤さん一家

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 こどものくには1956(昭和31)年に開園。「北海興業」という家族経営の会社が代々管理運営しており、国の登録有形文化財である国内最古の観覧車や、国内では珍しい吊り下げ式メリーゴーランド、開園時から活躍する「飛行機」など、昭和の趣を残すレトロな遊具が人気を集める。

 しかし、昨年は緊急事態宣言で、書き入れ時のゴールデンウイーク期間中に休業を強いられた。その後もコロナの影響で客足が伸びず、年間の来園者数は過去10年間で最少に。売り上げも例年比で約4割減少し、「役員報酬や社員の給料を減らしてもなお赤字がかさみ、先行きの見えない状況」にあるという。

 そこで同園は、年間500万円以上かかる遊具の維持管理費やスタッフの人件費、昨年の赤字による借金の返済などに充てるため、CFサイトのCAMPFIREで目標金額1,000万円の支援を募ることに。寄付額は2,000円~10万円で、金額に応じて同園の乗車券やフリーパス、オリジナルグッズなどをリターン(返礼品)として用意する。CFサイトが使えない人のため、銀行振込での寄付も受け付ける。6月20日まで。

 CF開始直後から続々と支援が集まっており、「温かくて優しい雰囲気が大好きです」「今は離れていて遊びに行けませんが、大切な思い出が詰まっているこどものくにがなくなってほしくありません」「昨年50年ぶりに函館に戻ってきました。子どもの頃に乗った乗り物が多く残っていて、わくわくした思い出がよみがえりました」など励ましの言葉も多く寄せられた。

 「子どもの頃の思い出の場所に、今は自分の子どもを連れて行っている」との声も多く、こどものくにマネジャーの加藤大地さんは「コロナウイルスが収束し、子どもたちが思い切り遊べるようになる時まで、親子3代で思い出を作れる函館唯一の遊園地を残し続けていきたい」とクラウドファンディング挑戦にかける思いを話す。「たくさんの方々にご支援や応援のメッセージをいただき、感謝でいっぱい。引き続きSNSなどでの情報拡散にも力を貸していただければ」とも。

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