函館産ブリの認知度向上と消費拡大を目指して考案された新グルメ「函館ブリたれカツバーガー」が好評だ。
若手の和食料理人が全面協力し、3種類の「函館ブリたれカツバーガー」を考案した
海に関する子ども向け講座などを行う「はこだて海の教室実行委員会」が、日本財団「海と日本プロジェクト」の助成を受けて開発した「函館ブリたれカツバーガー」。「炭火割烹(かっぽう) 菊川」花板の菊池隆大さんと「和×燻(くん)製 輝なり」店主の白戸光さんが全面協力し、香味だれベースの「レギュラー」、ブリのアラを使った甘だれベースの「鬼おろし」、和風仕立ての「タルタル」の3種類の味を考案した。函館産赤カブの千枚漬け、函館産真昆布のペーストなど、ブリ以外の具材にも地元の食材を取り入れ、オリジナリティー豊かな味に仕上げた。
1日に函館蔦屋書店(函館市石川町)で開いたキックオフイベントでは、用意した120個が約2時間で完売。専用の移動販売車の前には販売前から行列ができ、市民の関心の高さをうかがわせた。連休期間中の2日~5日は各日70個を用意してシエスタハコダテ(本町)前に出店。8日と9日は五稜郭駅前のオープンスペース「ハコニワ」(亀田本町)に出店し、いずれも当日分を2時間前後で売り切る人気ぶりを見せた。
実行委員会事務局の國分晋吾さんは「『くさみがなく、フィッシュバーガーとしておいしい』『和風バーガーとしてきちんと成立している』など、好意的な声をたくさん頂く。函館でブリの漁獲が増え、消費拡大が課題になっているとの認識が市民の間に浸透しつつある」と話す。
函館ブリたれカツバーガーの移動販売車は、5月中は毎週土曜と日曜の11時~17時にハコニワに出店する。6月以降は「BTKBキャラバン」と銘打って道南各地に出店する計画を立てている。
同委員会は本年度、バーガーの具材にもなった「函館ブリたれカツ」の普及にも力を入れる。昨年は一部の学校で給食に採用されたが、本年度はさらに対象校を増やすため食材提供などの支援を行うほか、新たに総菜コーナーで「函館ブリたれカツ」を販売するスーパーマーケットの販促協力などを行う。参加店が各店オリジナルの「函館ブリたれカツ」を提供する催しとして昨年10月に開催した「ブリフェス」は、今年も何らかの方法で開催する考え。
かつお節と同様の手法で作る「ぶり節」の開発にも取り組む。國分さんは「函館のブリは脂が少なくてうま味があり、ぶり節を作るのに最適。いずれはぶり節と函館の真昆布でスープを取ってラーメンを作ってみたい」と夢をふくらませる。