食べる 学ぶ・知る

函館市内の飲食店で「北海道産天然青のりフェア」 未活用海藻の可能性探る

炭火割烹菊川で提供する青のりメニュー「百合根万頭 鰤青のり時雨いこみ 青のりあん」

炭火割烹菊川で提供する青のりメニュー「百合根万頭 鰤青のり時雨いこみ 青のりあん」

  • 128

  •  

 一般には流通していない北海道産青のりを使った特別メニューを函館市内の飲食店で提供する「北海道産天然青のりフェア」が11月13日から、開催される。

浅い海で育ち、干潮時に姿を現す天然青のり

[広告]

 海に関連した子ども向け講座などを運営する「はこだて海の教室実行委員会」が、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として企画。同会が松前町の漁師に特別に依頼し、3月~6月に採取したウスバアオノリとボウアオノリ計10キロの一部を使い、市内の飲食店5店舗がそれぞれ考案した「青のりメニュー」を提供する。

 提供店とメニューは、渡島総合振興局1階「おしま食堂」(美原4)=天然青のりがけ海鮮汁焼きそば(900円)、「炭火割烹(かっぽう) 菊川」(五稜郭町)=百合根万頭(ゆりねまんじゅう) 鰤(ぶり)青のり時雨いこみ 青のりあん(680円)、函館国際ホテル レストランアゼリア(大手町)=北海道産帆立(ほたて)貝とたまふくら豆腐の青のりあんかけ(950円)、函館空港3階「レストランポルックス」(高松町)=青のり香る塩ラーメン(1,100円)、「じゃがいもFACTORY」(五稜郭町)=のりしおポテチ(432円)。

 「青のり」は、スジアオノリ、ヒラアオノリ、ウスバアオノリなど旧アオノリ属に分類される海藻の総称で、たこ焼きなどに振りかける「アオサ」とは異なる。同会によれば「色や香り、口どけなどの良さ」からアオサの数倍の値段で取引される高級食材で、一流レストランや和菓子店などで用いられているという。一般的には九州や四国の特産品として知られているが、近年は海水温の上昇や川と海の貧栄養価などにより、天然・養殖共に激減している。一方で、北海道の海岸にも多く自生しているが、同会の調査によればごく一部の漁師が自家消費するにとどまっており、北海道内ではほぼ未活用の状況にあるという。

 同会は今後も北海道産天然青のりの活用拡大のため、認知度向上や産品としての特徴の把握、安定的な原料確保のための人手確保などの課題解決に取り組む考えで、今回の「青のりフェア」をその第一歩と位置付ける。同会事務局長の阪口あき子さんは「イカや鮭など不漁のニュースが多く、海にマイナスイメージを持つ人が増えているが、青のりを通じて地元の海に眠っている資源があること、海にまだまだ可能性や明るい未来があることを発信していきたい。青のりの活用にはまだ多くの課題があり、これを機に子どもたちを含め地域の皆さんと共に知恵や力を合わせて取り組んでいけたら」と展望を描く。

 今月30日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース