上川大雪酒造(北海道上川町)が1月17日、函館に新設した酒蔵「五稜乃蔵(ごりょうのくら)」(函館市亀尾町)で、初出荷を控えた新酒のラベル貼り作業を報道陣に公開した。
「五稜」の初出荷分3000本に次々とラベルを貼り付けていくスタッフ
五稜乃蔵は、同社が上川町「緑丘(りょっきゅう)蔵」、帯広市「碧雲(へきうん)蔵」に続く道内3つ目の酒蔵として旧亀尾小中学校跡地に建設。木造2階建ての建物に1500リットルの醸造タンク8基を備える小規模な酒蔵で、昨年11月に完成した。総杜氏の川端真治さんが指揮を執り、道産の酒米と地元の水を使った「手作りの酒」を少量ずつ醸す。函館市内に酒蔵ができるのは、「五稜正宗(ごりょうまさむね)」の銘柄を地元の酒蔵から引き継いだ日本清酒(札幌市)が本町にあった工場を閉鎖した1967(昭和42)年以来54年ぶり。
酒の銘柄は「五稜」。初出荷分は、酒蔵がある亀尾地区で収穫された酒米「彗星(すいせい)」を使った搾りたての酒「五稜 純米生」を3000本限定で販売する。川端さんは「コメが良かったおかげで、酒の出来も非常に良い。すっきりとした味わいで、飲み始めたらあっという間になくなってしまうような飲み口に仕上がった。五稜乃蔵としては初めての酒だが、市民の皆さんの期待に応えられる、自信を持って世に出せる酒」と胸を張る。
価格は1本(720ミリリットル)1,320円。1月28日より函館と近郊の酒販店で販売する。発売当日は、五稜乃蔵併設のショップでも10時から販売。「お酒だけのおいしさを追求するのではなく、食べて飲んでおいしいお酒であることを重視した」と川端さん。「旬の食べ物と一緒に味わってほしい。今の時期は、鍋物をつつきながら楽しんでもらえたら」と話す。
2月中旬頃には、「純米生」に続く第2弾として「火入れ」した酒を出荷する予定。純米吟醸酒や純米大吟醸酒も既に仕込んでおり、順次出荷する。夏場の約2カ月間を除き、ほぼ通年で酒を仕込む予定で、年間6万リットルの生産を目指す。