函館を舞台にした漫画「こはる日和とアニマルボイス」(加藤えりこ著)のイラストで後部をラッピングした函館バスの路線バス車両が3月24日、函館市内で運行を始めた。
「こはる日和とアニマルボイス」は、母を亡くした少年・小野小陽(こはる)が、動物の声が聞こえる義兄・佐伯真樹(まき)と一緒に暮らし、多くの動物たちと触れ合いながら函館の街で成長していく物語。
コミック誌「ASUKA」(KADOKAWA)2018(平成30)年2月号~2021年11月号に連載され、八幡坂やラッキーピエロなど、函館の景色や名所が数多く描かれた。現在は全7巻のコミックスとして販売されており、昨年11月からは続編「こはるの空とアニマルライフ」の連載が同誌で始まった。
ラッピングバスの運行は、「こはる日和とアニマルボイス」の完結と続編のスタートに合わせた企画。「スコ」と「ノーブル」の2匹の猫が入ったリュックを背負い、柴犬「ひより」のリードを引いて八幡坂を下りる小陽の姿を多くの動物たちと共に描いたイラストは、作者の加藤さんが今回のために描き下ろしたという。
「コロナで函館旅行に行けなかったこの2年間、小陽たちが函館の街を歩く姿を妄想しながら漫画を描いていたが、まさかバスのイラストになって走る日が来るとは」と喜びをあらわにする加藤さん。「イラストのポイントは、函館市の鳥・ヤマガラと、函館市の花・ツツジ。そのほか、おなじみの動物たちをたくさんちりばめた」と話す。「『こはる』を読んだことのない方や小さなお子さまにもラッピングを見ていただき、動物や漫画に興味を持ってもらえたら」とも。
ラッピングは車両後部のみで、掲出は2023年3月22日まで。運行状況や時刻は日々変動するが、KADOKAWAは函館バスへの運行状況の問い合わせを控えるように呼びかけている。