丸井今井函館店(函館市本町)の開業130周年を記念した「丸井今井函館店130年のあゆみ展」が4月6日、旧店舗の函館市地域交流まちづくりセンター(末広町)で始まった。
丸井今井は、越後三条(現在の新潟県三条市)出身の今井藤七が1872(明治5)年に札幌で開いた小間物商がルーツ。1874(明治7)年には店舗を新設して丸井今井呉服店とし、1892(明治25)年4月25日、函館市末広町に函館丸井今井呉服店を開いた。
1921(大正10)年の大火後に新築された鉄筋コンクリート建ての店舗は、同店が現在の場所に移転する1969(昭和44)年まで使われ、その後、変遷を経て2007(平成19)年からまちづくりセンターとして活用されている。今回は開業130周年を迎えるに当たり、「開業以来の歴史が刻まれている旧店舗でお客さまを迎えたい」と同施設を記念展の会場に選んだ。
会場には、丸井今井創業から現代に至るまでの年表をはじめ、旧店舗時代の写真約50点、札幌オリンピック開催記念の包装紙、近年の催事のチラシ、函館港まつり参加時の写真など、さまざまな角度から130年の歴史を振り返る資料を展示。商品が整然と並ぶ売り場の様子や、現在も残る大理石の階段や手動式エレベーター、旧店舗営業最終日の風景など、貴重な写真を見ることができる。
市民から寄せられた「丸井今井函館店の思い出」を記したボードも設置。「若い頃に受けた店員としての教育が今でも心に残っている」とつづった80代の女性からのメッセージをはじめ、子どものころに迷子になったエピソード、食堂にまつわる思い出、店員の気遣いに感謝するメッセージなど、さまざまな「思い出」約30点も並ぶ。
同店営業統括部の山田睦さんは「五稜郭地区に移転して今年で53年になるが、開業130年の節目の年に、来年で築100年を迎える旧店舗に戻って来られたこと、展示という形でお客さまとふれ合えるのがうれしい。写真を見て旧店舗の思い出を話してくれる方や、家にあったという貴重な資料を持ってきてくれる方もおり、皆さんから『丸井さん』と親しまれている理由を改めて実感している」と話す。「共感していただけるエピソードや、記憶を呼び起こすような写真がたくさんあるので、ぜひご覧いただけたら」とも。
開催時間は同施設の開館時間と同じ9時~21時(最終日は17時まで)。10時~14時ごろは同店スタッフが会場に常駐する。今月12日まで。