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「町のサンタさん」の協力で施設などに無償で弁当 函館の居酒屋が呼びかけ

食べられる容器を使った弁当を掲げる「海鮮処 函館 夜市」の西田さんとスタッフ

食べられる容器を使った弁当を掲げる「海鮮処 函館 夜市」の西田さんとスタッフ

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 函館の居酒屋が道南の食材を使って手作りした弁当を「町のサンタさん」と称する支援者が買い上げ、さまざまな施設などにプレゼントする活動が広がりを見せている。

道南産の食材を食べられる容器に詰め込んだ弁当

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 活動の中心となっているのは「海鮮処 函館 夜市」(函館市本町)。同店は長引くコロナ禍を踏まえ、「母親たちの負担を軽減し、親子で一緒に楽しめる弁当を提供できたら」と、親子で食について話し合うきっかけにもなる「食べられる容器」を使った弁当を考案。地元の生産者や業者から仕入れた地場の食材で作った総菜とおにぎりを丸繁製菓(愛知県碧南市)の食べられる容器「イートレイ」に盛り付け、1食500円の弁当に仕上げた。

 「町のサンタさん」は、弁当20個分の代金として1カ月1万円を同店に支払う。同店は、あらかじめ連絡しておいた施設などにサンタさんが買い上げた弁当を無償で届ける。飲食業を含む経営者仲間や家族ぐるみで付き合いのある常連など約30人が「町のサンタさん」として、この活動に協力しているという。

 同店を経営する西田圭佑さんは「3月で4周年を迎えられたのは、これまで世話になった方々のおかげ。コロナ禍で今までとは違う大変さを経験している地域の皆さんに向けてお返しをしたいが、当店だけでは限界がある。持続性があり、取り組みの輪を広げていける活動として、この方式を考案した」と企画意図を説明する。「弁当を届ける時には、当店の思いと共にサンタさんの思いも届けるようにしている。いずれは、届け先の子どもたちがサンタさんにお礼できる機会を設けたり、サンタさんと一緒に遊べるイベントなども企画したりできれば」とも。

 「『夜市の活動なら、西田がやるなら』と協力を申し出てくれた人が大半。当店はこの活動でわずかながら利益が出るが、店を存続させることで地元の米・魚・肉・野菜を仕入れることができ、生産者を支えることにつながる。今後さらに多くのサンタさんから協力を頂いたり、他の店にもこの活動が広がったりすれば、地域の子どもたちや親御さんを支援しつつ、地元の生産者の応援にもつながるのでは」と今後の発展に期待を込める。

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