函館・近郊の手作り作家らで構成する団体「函館モノクラフトマーケット(モノクラ)」が今月から、クラフト体験ができる常設店の開設に向け講師を目指す学生の育成を始める。
高校生と大学生にサポートメンバーとしての参加を呼びかける千葉真弓さん
レザークラフト作家の千葉建介さんとネイリストの千葉真弓さん夫婦が呼びかけ人となり、2014(平成26)年に誕生した同団体。さまざまな分野の作り手が15分~30分程度でできる体験を用意し、地域のイベントに出展する形で活動を広げてきた。その都度出展者を入れ替えながら、年間30回以上のイベントに出展している。
反面、店を持たない手作り作家も多いため、「いつ来てもクラフト体験ができる常設拠点を構えるのが長年の夢だった」と真弓さん。今後期待される観光流動活発化を見据え、金森赤レンガ倉庫に近い1909(明治42)年築の伝統的建造物「市水商会」(函館市末広町)の1階部分を借りることに。内部の改装などを行い、7月をめどにクラフト体験ができる店舗「クラフトベース モノクラ」としてオープンを予定する。
同店には千葉さん夫婦を含め、平日は3~4人、週末や祝日、繁忙期は5~6人の手作り作家が講師として常駐する予定。予約サイトを設け、いつどんな体験ができるかを事前に確認できるようにする。建介さんは「作家さん同士の出会いが広がったり、互いに刺激を受けることでスキル向上につながったりする効果もあるのでは。新たに活動を始めた作家のチャレンジ出店の場としても活用してほしい」と期待を込める。
オープン後は講師をサポートする人材が必要になるため、クラフトや接客の仕事に興味がある高校生や大学・短大・高専の学生を募集する。イベントのサポートスタッフから始め、講師のアシスタントをしながら技術を学び、最終的にクラフト体験を教えるアルバイト講師として活動することを目指す。
「未経験でも全く問題ないので、函館に来るお客さんを楽しませたい、函館の良さを伝えたいとの思いに賛同する学生さんと出会いたい。将来クラフトの分野で活躍したい学生はもちろん、接客経験を就職活動に役立てたい学生にも興味を持ってもらえたら」と真弓さん。5月14日には、「クラフトマン育成ワークショップ」と銘打った学生向けの体験講座をGスクエア(本町、シエスタハコダテ内)で初めて開き、集まった学生らに講師育成制度について説明した。今後も同様の講座を開く予定だという。
サポートメンバーとして活動したい高校生・学生からの申し込みは、モノクラのLINE公式アカウントで受け付ける。