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函館朝市のコーヒー店がホットビールサーバー導入 冬のドリンクとして定着図る

ホットビールをつぐ菅原さん

ホットビールをつぐ菅原さん

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 函館朝市「えきに市場」内のコーヒースタンド「十字屋珈琲(コーヒー)店」(函館市若松町)がホットビール用サーバーを道内で初めて導入し、12月9日、ホットビールの提供を始めた。

チェリーの赤い色が印象的なフルーツビール「リーフマンス」

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 同店は、1932(昭和7)年の創業時からコーヒー豆を販売している老舗「十字屋」の直営店。函館朝市には2016(平成28)年から店を構えているが、観光客からコーヒーだけでなくビールやワインなど酒を飲みたいという要望がしばしば寄せられていたという。海外からの個人旅行が解禁された10月以降は、寒さをしのぎたい外国人旅行客からもワインなどを求められることが増えた。

 要望に応えるために温かい酒の提供を検討するなかで、取引のあった小西酒造(兵庫県伊丹市)からホットビール用サーバーの存在を紹介された。同社がステンレス製品の開発・製造を手がける精和工業所(同)に開発を依頼し、2013(平成25)年に誕生した製品。電気温水器の技術を活用しており、常温のビールをつぐ直前に適温まで加熱する。他の方法で温めるのに比べて炭酸やアルコールが抜けにくく、ビールの味わいが保てるという。

 「ドイツやベルギーにはビールを温めて飲む習慣があると話の種には聞いていたが、このサーバーがあれば手早くおいしいホットビールを提供できると思った」と十字屋社長の菅原雅仁さん。目新しさがあり観光客のニーズにも応えられることから、道内で初めて導入を決めた。

 提供するホットビールは、ベルギービールの輸入元でもある小西酒造が推奨するベルギー産フルーツビール「リーフマンス」。チェリーをベースに18カ月間熟成させ、ラズベリー、チェリー、ブルーベリーなどのフレッシュジュースをブレンドしており、アルコール度数は3.8%。「50~60度程度の適温に温めるとチェリーの甘い香りが立ち上り、さわやかな甘酸っぱさが際立つ。サングリアや甘いワインに似た味わい」だという。1杯700円。春までは提供を続ける予定。

 「ホットビールには、日本で一般的に飲まれているラガーよりもフルーツビールや黒ビール、エールが向いている」と菅原さん。「冬に函館を訪れたら飲みたい酒として定着させていきたい。今後は地元のブルワリーの協力を得て、温めて飲むとおいしいクラフトビールの開発にも取り組んでいけたら」と話す。

 営業時間は7時~12時ころ。水曜定休。

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