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真イワシで作る「ハコダテアンチョビ」 本格販売から1カ月で800本販売

店頭に並ぶハコダテアンチョビ

店頭に並ぶハコダテアンチョビ

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 未利用食材を活用した地域振興などに取り組む函館の任意団体「ローカルレボリューション」が、函館産の真イワシを使った発酵食品「ハコダテアンチョビ」の本格販売を始めて1カ月がたった。

シエスタハコダテでの本格販売開始当日の様子

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 ハコダテアンチョビは、大量に網にかかるがほとんど売れず、廃棄されたり動物の飼料に加工されたりしている真イワシを活用して地域経済を盛り上げようという発想から生まれた商品。真イワシを漁師から適正価格で買い取り、地元の水産会社で加工することで、未利用資源から新たな地域経済の循環を目指す。

 9月11日に「無印良品シエスタハコダテ」(函館市本町)店頭とネットで計400本を先行販売。その後、生産体制が整ったことから、11月3日より同店と福田海産(宇賀浦町)、ポッケディッシュ(北斗市追分1)の3店で本格的に販売を始めた。

 このうちシエスタハコダテでは、瓶詰めの工程を担当している就業支援施設「ジョブハウス勇気」が館内でのイベントに合わせて同日から3日間限定で出店し、合わせて115本を売り上げた。同施設の統括責任者で、ローカルレボリューションの代表も務める岡本啓吾さんは「プロジェクトに賛同し、同じ思いで作業に取り組んでいる方々が実際に販売にも携わり、お客さんに喜んでもらえたことは意義深い」と振り返る。

 その後も3店舗で販売を継続し、約1カ月で計800本が売れた。12月からは函館空港旅客ターミナルビル内の土産物店「THE HAKODATE DEPART(ザ・ハコダテデパート)」でも取り扱いを始めた。

 ネット販売も好調で、既に全国からリピート購入が相次いでいるという。「正直に言って想像以上の売れ行き」と岡本さん。「しっかりとしたうまみとコクがあり、さまざまな料理に使えて便利だという反響を頂いている。料理人や食ライターにも好感触で、業務用として使いたいという問い合わせや依頼も相次いでいる」と話す。

 「ハコダテアンチョビを使った三次加工品を地域の人々と一緒に作りたい」「漁師からアンチョビの塩蔵、瓶詰め作業までのつなげる仕組みを道南の他地域にもシェアしたい」「いずれはハコダテアンチョビを世界に向けて売りたい」など、今後の展望を数多く描く同団体。だが、現在はこれ以上の販路拡大をあえて目指さないという。

 「商品を開発して、それが売れればゴールではない」と岡本さん。「私たちの目標は、地域の産業や新たな食文化をつくる仕組みを構築すること。目先にとらわれず、思いや信念を伝えることを大事にしながら一歩ずつ進み、応援してくれる人を増やしていきたい」と先を見据える。

 1瓶90グラム(固形物は60グラム)入りで、参考価格は1,080円。

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