食肉加工と卸販売を手がける北農食販(函館市昭和3)が現在、道南産のエゾシカ肉を使ったハンバーグ「神の鹿バーグ」を販売している。
北海道森町と周辺で捕獲されたエゾシカ肉を使った「神の鹿バーグ」
ジビエ料理に力を入れるフランス料理店「マノワ」(東京都渋谷区)が北海道森町に開設し、昨年5月に稼働を始めた解体処理施設「マノワラボ」から仕入れたエゾシカ肉を使う。同施設が扱うエゾシカ肉は全て、地元のハンターが捕獲した個体。
「森町周辺のエゾシカは、海風に吹かれて育ったミネラル分が豊富な草や、品質の良い畑の作物を餌にしていることから食味が良いとして、マノワラボも高く評価している」と同社。ロースやヒレなどに比べ、脂肪分の少なさや硬さなどから残ってしまいがちなウデ、モモ、スネなど赤身中心の部位をハンバーグに活用している。
エゾシカ肉だけでは火を通すとパサつくことから、いずれも道産の豚ひき肉と和牛の脂身を独自の配合で加え、「エゾシカの野趣あふれる味わいと食べやすさを両立」したという。
同商品を取り扱う「やな商店」(新川町、はこだて自由市場内)の播磨智子社長は「肉そのもののうまみがあり、何もつけなくてもおいしい。エゾシカの駆除は、農作物の被害や交通事故などを少しでも減らすために必要なこと。その命を無駄にせず食べるという意味でも、意義ある商品だと思う」と話す。
1個200グラムで、参考価格は460円。函館空港旅客ターミナルビル内「THE HAKODATE DEPART(ザ・ハコダテデパート)」と北農食販の直売店「お肉の直売所」でも取り扱う。