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「ゴールデンカムイ展」ラッピング電車 函館「五島軒」が車両不足補う

「五島軒号」として運行していた函館市電723号

「五島軒号」として運行していた函館市電723号

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 函館市電「ゴールデンカムイ展」ラッピング電車が7月15日に運行を始めるに当たり、函館の老舗洋食店「五島軒」(函館市末広町)が広告用車両の不足を補ったとする投稿が現在、SNSで反響を集めている。

「ゴールデンカムイ展」ラッピング電車イメージ ©野田サトル/集英社

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 ラッピング電車運行は、丸井今井函館店(本町)で開催される「ゴールデンカムイ展 函館会場」(7月22日~9月10日)に合わせた企画。原作者の野田サトルさんがコミックス30巻・31巻の特典用に描き下ろしたイラストと同展のロゴで函館市電723号を装飾し、9月10日まで市内を走行する。

 五島軒は6月29日、自社のロゴなどで装飾したラッピング広告車両「五島軒号」(723号)の姿が最近見られないことについて、「一部ご心配を頂いており、恐縮でございます」とツイッターに投稿。「7月22日より丸井今井函館店様にてゴールデンカムイ展が開催されますが、このラッピング電車に使用する車両が足りないということで、当社広告車両の塗り直しをご提案致しました」と理由を説明した。

 関係者によれば、函館市電のラッピング広告は人気が高く、常に10社ほどが空きを待っている状況だという。同展終了後は再び元の広告ラッピングに戻るとし、「土方さんには箱館戦争にて当社初代料理長がお世話になりましたので、せめてものご恩返しでございます」と思いをつづった。1000回以上リツイートされ、2000件以上のいいねが寄せられている(6月29日21時現在)。

 五島軒の初代料理長、五島英吉は五島列島の出身。長崎奉行所で通訳を務めていたが、戊辰(ぼしん)戦争で旧幕府軍に加わり、転戦して最後は土方歳三らと共に箱館戦争を戦った。敗戦後、官軍の残党狩りを逃れてハリストス正教会にかくまわれ、そこで働きながらロシア料理を習得。やがて五島軒創業者の若山惣太郎と出会い、初代料理長に就任した歴史を持つ。

 「五島英吉は箱館湾海戦で大けがを負い、函館の人たちによってハリストス正教会に運び込まれたとされる。もし旧幕府勢力が地元の人たちに嫌われていたのなら、見捨てられたか殺されていたかもしれない」と5代目社長の若山豪さん。

 「軍資金不足に悩んでいた榎本武揚は箱館の人々から税金を取り立てたが、土方だけは『庶民を苦しめてはいけない』と反対したと聞く。地元の人々を大切にし、軍の規律に厳しかった土方がいなければ英吉は生き残らず、五島軒もなかったかもしれない。だからこそ、何かあったら土方さんに恩返ししなければならない。140年間ずっとそう思ってきた。作中で最後の舞台となった函館での『ゴールデンカムイ展』なので、函館全体で盛り上げている姿を来場者にお見せできたら」と思いを語る。

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