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函館・五島軒の「函館カレー」が初のリニューアル 函館真昆布のだし採用

昆布だしを加えてリニューアルした「函館カレー」

昆布だしを加えてリニューアルした「函館カレー」

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 函館の老舗洋食店「五島軒」(函館市末広町)が今月、レトルトカレーの主力商品「函館カレー」シリーズをリニューアルする。道産牛を使った自家製ブイヨンに函館産の真昆布だしを加え、「芳醇なうまみとまろやかな後味」を引き出した。

五島軒の若山社長と南かやべ漁協の高谷理事

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 遺愛女子高校(杉並町)のSDGsの授業に同社が協力した際、生徒から「函館の昆布を守りたい」との声が上がったのが開発のきっかけ。昆布だしだけを使ったカレーを試作し、ビーフブイヨンを使った通常のカレーと食べ比べてもらうブラインドテストをしたところ、生徒の大半が昆布だしのカレーに軍配を上げたという。

 この結果を受け、生産量日本一を誇る函館の昆布を地域の産品として守り育てる一助にしようと、年間約100万食を売り上げる「函館カレー」への昆布だし採用を決め、試作を重ねてきた。南茅部地区でとれる養殖真昆布でだしを取り、昆布だし7、ビーフブイヨン3の割合で使う。今後、銘柄ごとに最適な割合を探りながら、最終的に約20種類あるレトルトカレー全てに昆布だしを採用する考え。

 若山豪社長は天然真昆布の激減や漁師の後継者不足など函館の昆布を取り巻く環境の厳しさを踏まえ、「地域の生産者と生産物が減り続けると、地域の魅力が失われてしまう。地元の一次産業と製造業が手を組んで地域発展に取り組む事例になれば」と意義を説明。南かやべ漁協大船支所理事の高谷大喜さんは「この取り組みが知られることで、昆布に関わる人が増えてくれるのでは」と期待を込める。

 内容量は200グラムで、価格は432円。6月17日より五島軒直営店などで扱い、7月ごろより順次、一般小売店の店頭にも並ぶ予定。

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