函館出身の大道芸人ギリヤーク尼ケ崎さん(94)が芸歴55周年記念公演「祈りの踊り」を9月14日、はこだてグリーンプラザ(函館市松風町)で行う。
ギリヤークさんは、1930(昭和5)年函館生まれ。旧制函館市立中(現市立函館高)を中退し、映画俳優を目指して上京。1968(昭和43)年10月、初の街頭公演を東京・銀座で行った。津軽三味線の音色に合わせた情念あふれる踊りで知られ、「伝説の大道芸人」とも称されている。
阪神大震災後の神戸や東日本大震災後の気仙沼(宮城県)などで、亡くなった人の魂に向けた「祈りの踊り」を踊り続けてきたギリヤークさん。今年7月は能登半島地震で大規模な火災に遭った石川県輪島市の「輪島朝市」近くで犠牲者を供養する踊りをささげた。8月には東日本大震災の福島第1原発の事故で4年半にも及ぶ全町避難を余儀なくされた楢葉町(福島県)の、未来に向けた願いを込めた祭りに招かれて踊った。
55周年記念の函館公演を前に、ギリヤークさんは「いつも故郷の公演では温かい声援に励まされる。路上にしがみついて生きてきた55年の生きざまを込め、新たな伝説が生まれてくるような踊りを見てもらいたい。精魂込めて踊る」と話す。
開催は14時から。入場無料。予約不要。