市立函館博物館(函館市青柳町)で6月12日、企画展「箱館戦争終結150」が始まる。同館と函館市中央図書館で保管されている品計200点を展示。はこだて未来大学との連携により、展示作品をデジタルアーカイブし、QRコードで読み取れるようにしている。
今年は箱館戦争が終結して150年。今回の展示は、箱館戦争のストーリーを追って資料の一部分を見せるのではなく、箱館戦争で使われた軍服や砲弾、新選組の袖章などの資料を展示することで箱館戦争の全体像を紹介している。
同館学芸員の保科さんは「これだけの作品がそろうのは函館ならでは。特に見てほしいのは、薩摩藩士池田次郎兵衛から高松凌雲に贈られた『山水図』。戦争中は敵同士として出会った両者だが、池田次郎兵衛が晩年に生活に困窮した際に高松凌雲が次郎兵衛を援助した。そのお礼として贈られたのが山水図。左上にある讃は、旧幕府軍の陸軍奉行を務めた大鳥圭介が書いたもの。これは、かつて戦っていた旧幕臣と新政府の軍人である両者が戦争終結後に交遊があった証し。こうした物語を持つ展示物を楽しんでもらえれば」と話す。
開館時間は9時~16時30分。休館日は7月15日、9月16日を除く月曜と7月16日、9月17日。観覧料は、一般=300円、大高生=200円、小・中学生=100円(函館市民は無料)。9月22日まで。