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札苅駅で初のクリスマスライトアップ 樹齢100年の大銀杏を照らす

ライトアップされた大銀杏、1930年の駅開業時よりずっと駅を見守っている

ライトアップされた大銀杏、1930年の駅開業時よりずっと駅を見守っている

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 道南いさりび鉄道、札苅駅前の大銀杏(いちょう)の木と駅ホームが12月15日より、ライトアップされている。駅を明るくすることで、住む街全体を明るくしていきたいという願いが込められている。

札苅駅ホームライトアップ、足元からのライトアップなど凝ったところも見られる

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 ライトアップは今年初開催。道南いさりび鉄道では11月下旬より週末を中心に、上磯駅~札苅駅間で、車内の光量を抑えて車窓の夜景や漁火(いさりび)などを見えやすくし、夜汽車の雰囲気を演出する「夜景列車」を運行。これに呼応して、木古内町札苅町内会広報委員会が駅前の樹齢約100年の大銀杏をライトアップ。さらに札苅地区の20~40代の若手有志による「札苅やる会」が駅ホームを電飾で飾り、車窓から駅を眺める人や駅を訪れる人をもてなしている。

 札苅駅は1930(昭和5)年に開業。89年間ずっと、駅を見守るかのように生えている駅前の大銀杏には、優しい単色の光が少し控え目に当たる。銀杏のライトアップをした木古内町札苅町内会広報委員会の担当者は「枯山水、狙ってるかな」と銀杏を指しておどけてみせる。今、駅を通勤通学で使うのは4人だけの無人駅。そうした状況への危機感も持つ中、「ささやかだけれど、地道に続ければ誰かが見てくれる」と駅待合室に町内会広報誌を掲示するなどの活動にも普段から取り組む。ライトアップ初日に訪れたのはたった1人だった。一人ずつでもいいから、この取り組みが伝わっていくことを願い、ライトアップを楽しむその最初の客を大切に写真に収めた。

 ホームのライトアップに関わる「札苅やる会」は「さつかりやるがい」と読み、「やるがい」とは地元方言で「やりましょう」を意味する。小さな町だが、自分たちでまちおこしを何とかしなければ、という思いが込められている。

 副会長の工藤聖さんによると、町の飲み会仲間が5年ほど前に立ち上げたのが、この会だ。「まちづくりを自分たちで形にするべや、って。みんなほぼ独身だから、人が来てくれて、いい人と出会って、いつかはこの愛してる町で愛する人と幸せに暮らしたい」と豪快に笑う。同じく副会長の木寺教文さんは「老若男女いろんな人がライトアップをきっかけに興味を持って足を運んでくれたら」と期待を込める。

 21日には同会主催「SATSUKARIクリスマスナイト2019」を駅徒歩10分の札苅みらい館21で開催。札苅やる会の会長らによるショートコントや、キーコバンド、知内のマジシャンによるマジックショーなど、地元や近隣の住民による手作りのプログラムを披露する。参加費は500円(1ドリンク付き)で小学生以下無料。予約不要。夜景列車で訪れて立ち寄ることもできる。

 点灯時間は、札苅駅17時22分発の上り(木古内行)が来る前から、20時48分の下り(函館行き)が出るまでの間。住民らが毎晩、手動で点灯して消灯する。今月25日まで。

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