函館市内の複数の公共施設がこのほど、飲食店のテークアウト情報を集めた掲示板を館内に開設した。いずれも立ち止まって目を留める人が多く、各施設は需要の大きさに手応えを感じている。
飲食店が持ち込んだチラシをそのまま掲示する函館市地域交流まちづくりセンターの掲示板
複合施設「シエスタハコダテ」(函館市本町)4階のGスクエアは1日、施設内の「BOXギャラリー」を活用した「函館テイクアウトまちかど掲示板」を開設した。弁当などの持ち帰りに対応している飲食店から寄せられた情報を同施設職員が定型のフォーマットに入力し直し、プリンターでB4判の紙に出力して掲示する。フォーマットを共通化したため一覧で見た時に統一感があり、店舗名や連絡先など必要としている情報がどこに記載されているかも分かりやすい。開設初日は、一枚ずつじっくり目を留める人や、スマートフォンで写真を撮る高齢者の姿などが見られたという。
同施設のセンター長で、シエスタハコダテの統括責任者を兼ねる岡本啓吾さんは「コロナの影響で苦労している地元の飲食店を少しでも応援したい。SNSでの情報発信も盛んに行われているが、幅広い世代が集まる中心市街地の施設として、SNSを使っていない高齢者を含めて誰もが直接見ることができるアナログな掲示板にも価値があると考えた。インターネットが使えず、情報発信に難しさを感じていた飲食店からも喜ばれている」と力を込める。
開設初日の時点で54件の情報が集まっており、今後も掲出を希望する函館市内の飲食店からの申し込みを受け付ける。申し込みは、電話、ファクス、Gスクエア公式サイト内専用フォームのいずれかで行う。
函館市地域交流まちづくりセンター(末広町)も5月29日、「まちセンテイクアウト掲示板」を開設した。市内飲食店が持参したテークアウトメニューのチラシなどに店舗名の見出しを付けて掲示しており、枚数に余裕がある一部のチラシは来館者が持ち帰ることもできる。掲示板のすぐそばにある市街地の地図には、掲示板に貼られている飲食店の位置を示す目印を書き入れた。
同施設スタッフの谷口真貴さんは「普段は地域のイベントなどのチラシやポスターをたくさん設置し、『ここに来れば何かある』と思ってもらえるような情報発信に努めてきた。今はテークアウト情報のニーズが高まっているので、来館者の役に立てると思って始めた。少しでも地元の飲食店を応援できたら」と話す。チラシ掲示の申し込みは、同施設のカウンターと郵送で受け付ける。