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函館・道南の正月料理「くじら汁」がテークアウト用パックに

道南の郷土料理として親しまれてきた「くじら汁」

道南の郷土料理として親しまれてきた「くじら汁」

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 函館市内で飲食業を手掛ける「マルヨウ」(函館市人見町)が5月10日、東北や道南地域の郷土料理「くじら汁」のテークアウト用パック商品の販売を始めた。

テークアウト用「マルヨウどんちゃんのくじら汁」の製造・販売を行う赤塚さん夫妻

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 くじら汁は、本皮(ほんかわ)と呼ばれるクジラの背中部分の脂身と、根菜類、山菜などの具材を煮込んで作る汁料理。豊漁への願いや「大物になれるように」との縁起を担ぐ意味合いから、道南地方では正月に欠かせない料理として親しまれてきた。

 半面、食文化の多様化や大家族の減少などの要因により、近年はくじら汁を作る家庭が減少。手間がかかる上に日持ちしないこともあり、函館市内の飲食店でもくじら汁を提供する店は非常に少ない。マルヨウ代表の赤塚一郎さんは「地元の郷土料理なのに廃れつつあり、食べたことのない若い人も増えている」と話す。自身が経営する喫茶店で通年提供しているくじら汁が好評で、持ち帰りの要望が寄せられていたことから、テークアウト用パックの開発に踏み切った。

 テークアウト用のくじら汁は、塩味とみそ味の2種類を用意。具材は一般的なくじら汁とほぼ同じだが、滑らかな食感を残しつつ脂抜きした本皮を使うことで、すっきりとした味わいに仕上げた。具材に火を通しているので、温め直すだけで食べられる。夏場は冷やして食べるのもお薦めという。賞味期限は冷蔵で2週間。「1食ずつの個包装なので、いつでも好きな時に冷蔵庫から取り出して懐かしい味を楽しんでもらえたら」と赤塚さん。

 価格は1パック(420グラム入り)=620円。赤塚さんが店主を務める「居酒屋どん」(五稜郭町1、TEL 0138-52-6133)で店頭販売する。

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