親子を対象とした自然観察イベント「海藻の森探検」が5月30日、志海苔海岸(函館市志海苔町)で開催された。
真昆布とガゴメ昆布の違いなど、身近な海藻の特徴について学ぶ参加者
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、海に関連した子ども向け講座などを運営する「はこだて海の教室実行委員会」が企画した同イベント。
当日は、親子で訪れた参加者たちが干潮時に姿を現す岩場を歩き、昆布、ワカメ、ヒジキ、フノリなど食卓でおなじみの海藻類の生きた姿を間近で観察した。未利用海藻の活用に取り組む「海藻活用研究会」の会員が講師を務め、海藻の実物を見せたり触らせたりしながら個々の海藻の違いや特徴などを説明した。
中でも注目を集めたのは、鮮やかな緑色が目を引くアオノリ。同実行委員会によると、主な産地である九州や四国では海水温上昇の影響で激減している一方、北海道ではほとんど収穫されないまま自生しているという。海藻活用研究会の布村重樹さんはアオノリを参加者に見せながら「私たちの海には、まだこんな宝物が眠っている。昔は利用されていなかったガゴメ昆布が、今では人気者。次はアオノリが注目を集めるかもしれない」と紹介した。
潮だまりでは、見つけたカニやヤドカリ、ウミウシなどを手に載せ喜ぶ子どもたちの姿が見られた。「海の生き物に触るのは初めて」という丸井太進君は「ガゴメ昆布を触ったら、表面がボコボコしていて手がネバネバしたので驚いた。ヒジキは丸いプチプチがたくさん付いていてかわいかった」と話していた。
実行委員会事務局スタッフの阪口あき子さんは「開催2年目の今年は、海藻の状態が良い時期に当たった。子どもたちが目を輝かせて海藻や海の生き物を見たり触ったりしていたのが何よりの収穫。保護者からも『子どもたちに外での体験をさせることができて良かった』と感謝の言葉をいただいた。次回は夏休みに、磯での海の生き物観察や海のプランクトン観察など違う内容で子ども向け講座を企画したい」と意欲を見せる。