コーヒー豆専門店「Specialty Coffee COCORO(スペシャルティコーヒー ココロ)」(函館市末広町7)が6月22日、えびすまち高田屋1階にオープンした。
函館でも数少ないスペシャルティコーヒーのみを扱うコーヒーショップ。品評会で80点以上の評価を受け、トレーサビリティーが明らかになっているスペシャルティコーヒーの中でも、「特に信頼性の高いルートから」生豆を仕入れ、店内で自家焙煎(ばいせん)する。
店主の浅水心吾さんは、昨年秋に脱サラするまで転勤族として東京や道内各地を渡り歩いてきた。各地で名店とされるカフェや喫茶店を訪ね歩き、コーヒーについての話を聞くうちに「自分も焙煎した豆を販売したい」と思うようになり、学生時代からの夢だった起業を決意。札幌の有名店より技術を学び、約20年ぶりにUターンして函館に店を開いた。
コンセプトは「自分好みのコーヒーを見つける楽しさをここから」。豆の好みや普段どんなコーヒーを飲んでいるかを尋ね、客の好みに合う豆を提案する。「北海道は深いり文化が根強く、それに伴って『コーヒーは苦いもの』『苦いコーヒーがおいしいコーヒー』との考えが定着しているが、スペシャルティコーヒーは軽く爽やかな酸味が感じられる浅いりから豊かなコクと苦みが感じられる深いりまで、幅広く味わいが楽しめる」と浅水さん。プレオープン期間に「コーヒーは苦手」と話す客が数人訪れたが、同店の浅いりコーヒーを試しに出したところ、「これなら飲める」と全員ブラックで飲んだという。
「浅いりだから飲みやすいというより、豆の品質によるところが大きい。品質の高い豆を適切な浅いりで焙煎したコーヒーはおいしい」とスペシャルティコーヒーを使う利点を説明する浅水さん。実家が生花店を経営していることから、「コーヒーの焙煎はフラワーアレンジメントと同じ。作り手が思い描く完成形、こんな味のコーヒーを作りたいとの意図があり、それに向けて焙煎する」とも。
ブレンドコーヒー(豆)は、浅いりの「なぎさブレンド」(100グラム650円)から深いりの「臥牛山ブレンド」(同680円)まで5種類。いずれも函館にちなんだ名前を付けた。単一品種・単一農園の豆だけを使う「シングルオリジン」も各種取りそろえる。気になるコーヒー豆を試してもらえるよう、店内では1杯600円で、それぞれの豆を使ったハンドドリップコーヒーを提供する。カフェオレ、ウインナーコーヒー(以上650円)、アイスコーヒー(600円)、コーヒーフロート(700円)なども用意。「maison FUJIYA HAKODATE(メゾン フジヤハコダテ)」(元町)のケーキと焼き菓子、「Pain(パン)屋」(宝来町)のバゲットなどのフードも提供する。
営業時間は10時~19時。月曜定休。