函館と近郊の菓子店などで構成する2団体が「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に合わせ、縄文土器と国宝「中空土偶」をイメージした「もなか皮」をこのほど完成させた。
縄文土器をモチーフにしたもなか皮は、函館エリアの5つの製菓団体から成る函館スイーツ推進協議会が製作した。同協議会は昨年10月、函館蔦屋書店(函館市石川町)で「函館縄文スイーツ」キックオフイベントを開催。土器や土偶、竪穴式住居などをモチーフにしたスイーツや、縄文人が食べていた栗やクルミなどを使ったスイーツを各店が一斉に販売し話題を集めた。
今回はこれに続く第2弾の取り組みとして、菓子の消費が減少する夏季でも好まれるアイスクリームやソフトクリームに着目。「函館縄文スイーツ」のロゴマークをモチーフに、ハンドディップアイスやソフトクリームのコーンとして使える土器型のもなか型を作った。現在、和創菓ひとひら(西桔梗町)、ジョリクレール(北斗市中央2)、ナナイロファクトリー(七飯町峠下)の各店で、この「もなかコーン」を使った「縄文ソフト」「縄文アイス」を販売している。
中空土偶の顔を再現したもなか皮は、同協議会の構成団体である北海道菓子工業組合函館支部の青年部が製作した。今後、同支部に所属する複数の和菓子店が「中空土偶もなか」として商品化する予定。
函館スイーツ推進機協議会は今後、函館縄文スイーツの販売店を巡るスタンプラリーを予定。事務局長の小林周平さんは「世界遺産登録に伴い、近い将来に世界中の人が再び函館を訪れる可能性がある。スイーツで縄文をPRすることで、この盛り上がりを継続させていきたい。スイーツだけでなく、さまざまな分野で縄文を発信する取り組みが増えたら」と期待を込める。