函館市内で複数の飲食店を展開する函館フーズプランニング(函館市本町)が9月、地元の食材を使ったスイーツ「箱館港福(はこだてこうふく)カタラーナ」を発売した。
カタラーナは、同社が運営する「函館海鮮居酒屋 魚まさ五稜郭総本店」の「隠れた」人気メニューだという。店頭でも数種類のカタラーナを持ち帰り用として販売していたが、今春から箱館醸蔵(北海道七飯町)の日本酒「郷宝(ごっほう)」酒かすを使った新たなカタラーナの試作を始めたのを機に、店外での販売を視野に入れた商品開発を進めてきた。
このほど完成した「箱館港福カタラーナ」は、スタンダードな味わいの「函館牛乳」、郷宝の酒かすを使った「箱館醸蔵 郷宝酒粕(さけかす)」、コーヒー味の「カフェラテ」の3種。専門家の助言を得ながらマーケティングと味の改良を重ね、数カ月かけて完成にこぎ着けた。
中でも「箱館醸蔵 郷宝酒粕」は酒かすの風味をしっかり利かせたのが特徴で、「酒かすが入ることで香りが華やかになり、口に入れた瞬間に奥行きのある味わいが広がる」と社長の高野信子さん。「洋風スイーツと日本酒の組み合わせは、和洋折衷の函館のイメージにも合うのでは」とも。「カタラーナの甘みがコーヒーの苦みや香りを引き立てる」という「カフェラテ」も自信作で、「コーヒーと一緒に食べるのがお勧め」だという。
「箱館港福カタラーナ」の商品名には、「どんな状況にあっても、おいしいものを食べると幸せを感じたり、ほっとした気持ちになったりする。そんな『おいしいもの』を港街・函館から届けたい」という高野さんの思いを込めた。パッケージ側面には函館の主要な観光名所のイメージや、函館の大森浜から見る函館山のイメージをシルエットで表現した。
「小学生の頃に家族で行ったフランス料理店で食べたカタラーナのおいしさに感動し、それ以来、どこかでカタラーナを見かける度に必ず食べている」という高野さん。「今までの経験を踏まえて、自分が一番おいしいと思うカタラーナを作った」と自信を見せる。製造は外部委託せず、全て「魚まさ」の店内で手作りする。
価格は1個(80グラム)540円。現在はネットショップで販売しており、10月1日からは「魚まさ」店頭でも販売。順次、取扱店を増やしていく考え。年内には、「カフェラテ」に使うコーヒー豆を自家焙煎(ばいせん)コーヒーの販売店として函館で最も古い歴史を持つ十字屋食料品店(末広町)の豆に切り替える予定で、高野さんは「今後も地元の食材や地元の業者とコラボしていきたい」と話す。