移動式のラーメン店として知られる「函館元祖バスラーメン」の旧車両の修理保存に向け、経費の一部を募るクラウドファンディングが現在、行われている。
丸山憲雄さん・寿子さん夫婦が43年前に開業した「函館元祖バスラーメン」。これまで長年市民に親しまれてきた4代目のバスは車検が通らず、昨年末で役目を終えた。現在、丸山さん夫婦は5代目車両となるキッチンカーに乗り換えて営業を続けており、自走できなくなった4代目バスは五稜郭駅前の広場「ハコニワ」に設置し、同所で営業する週末の日中のみ飲食スペースとして利用している。
丸山さん夫婦の「4代目車両を誰かが引き継いでやってくれないだろうか」との声に応えてプロジェクトを立ち上げた波並寛さんは、市内で飲食店7店舗などを展開する函館GALA(ガーラ)グループの代表。チャルメラの音と共にやって来たバスラーメンの懐かしい記憶から、4代目バスには強い思い入れがあるという。「お二人が22年苦楽を共にした車両で、子どもの頃、この車の中でラーメンを食べた思い出もある。形あるものなのでいずれは壊れてしまうが、今スクラップにするのはもったいない」と話す。
目標金額は200万円。集まった支援金を元にバスの整備や修理を行い、4代目バスを再び移動式のラーメン店として稼働させるのが最終目標だ。復活に向け、元祖バスラーメンの味を継承した昔ながらの塩ラーメンと、「新バスラーメン」と銘打った新たなラーメンの開発に取り組んでいるという。
支援金は1,500円~5,000円。返礼品として、新バスラーメンの食事券やステッカーなどを用意している。コロナ禍で函館に訪れることが難しい遠方の人には、リターンの代替品として元祖バスラーメンが監修したインスタント麺との交換も可能。
「元祖函館バスラーメンの車輌を後世に残すプロジェクト」は10月10日まで、CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で行っている。