プラモデルの制作過程を紹介するユーチューブチャンネル「函館プラドック」を運営するプラモデラー2人による初の展示会「本×ガンプラ展」が12月12日、函館栄好堂丸井今井店(函館市本町、丸井今井函館店6階)で始まった。
ガンプラをテーマにした漫画「HGに恋するふたり」に描かれたガンプラの展示も
函館プラドックは、模型サークル「モデラーズワークス函館」に所属する矢追さんとしんぺいさんの2人が運営。コロナ禍で模型の展示会が開けなくなったことから、動画で自分たちの活動や作品を見てもらおうと2020年11月に開設した。ガンダムのプラモデル「ガンプラ」を中心に模型の制作過程を紹介しており、複数のキットを組み合わせて1体の作品を作る「ミキシング」の手法なども公開。一部の動画には走行中の車内から撮影した函館西部地区の街並みの映像を挿入し、函館らしさを演出している。
函館プラドックにとって初の展示会となる今回は、動画で制作過程を紹介した作品を集め、実物を間近で見てもらえるように並べた。ガンプラをテーマにした漫画「HGに恋するふたり」の単行本と、同作に登場するガンプラの実物を並べた展示も。市内の模型店「ホビーショップ.45」の協力を得て、マーカーやつや消しスプレーなどプラモデル制作に使う道具類も値札を付けたまま展示した。
「プラモデルをこれから始めようとする場合、『道具が高いのでは』『道具をそろえても続かなかったらどうしよう』との心配があると思うので、あえて値段が見えるように展示した」としんぺいさん。「プラモデルや道具はネット通販や量販店でも買えるが、初めての方こそ、作り方や道具の使い方、自分に適した道具など、さまざまな相談に乗ってくれる地元の専門店を訪ねてほしい」と、同店を紹介するPOPも用意した。
今回の展示は、「おうち時間」の増加によるプラモデル需要の高まりに合わせ、ガンプラやプラモデル全般に関する本を集めた特集コーナーを設けたいと考えた函館栄好堂丸井今井店が函館プラドックに打診して実現した。「当店にもプラモデルのハウツー本などが多数あるが、それほど売れていないのが現状。特集コーナーを作り、モデラーが作り込んだプラモデルを一緒に展示することで、より多くの方に興味を持ってもらえたら」と同店リーダーの佐藤啓太さん。「プラモデル関連本の出版がさらに活発化するよう、棚に眠ったまま返品されてしまう本を減らすことで出版業界を回す一助になれたら」と企画に込めた思いを話す。函館プラドックも、モデラーの視点からハウツー本の活用を勧めるPOPを作り、販売促進を後押しする。
矢追さんは「ガンプラは実在しないものだからこそ、初心者の方も自己表現として、自分がかっこいいと思う作品を自由に作ってほしい。今回のようなプラモデルの展示やネット動画、漫画・アニメなど、どんな入り口でもいいので少しでもガンダムの世界に興味を持ってもらえたら」と呼び掛ける。
営業時間(10時~19時)内は自由に観覧できる。展示は2022年1月9日まで。