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北海道新技術・新製品開発賞 渡島から函館ブリ塩ラーメンとタラスミが受賞

函館伝統の塩ラーメンにブリの旨みを加えた「函館ブリ塩ラーメン」

函館伝統の塩ラーメンにブリの旨みを加えた「函館ブリ塩ラーメン」

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 北海道が10月6日に発表した「令和4年度北海道新技術・新製品開発賞」の食品部門で、函館の「函館ブリ塩ラーメン」が大賞、鹿部町のタラコを原料にした珍味「タラスミ」が優秀賞を、それぞれ獲得した。21日に授賞式が行われた。

タラコを原料にしたからすみ風珍味「タラスミ」

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 この賞は、北海道内の中小企業などが開発または商品化した、新規性・独自性の高い新技術や新製品を表彰する制度。ものづくり部門、食品部門、デザイン部門の3分野で、それぞれ大賞・優秀賞・奨励賞を選定している。今回は渡島管内から食品部門で2品目が入賞した。

 食品部門で大賞に輝いた「函館ブリ塩ラーメン」は、函館近海で漁獲量が急増しているブリの消費拡大と食文化への定着を図るために考案された新商品。函館塩ラーメンの清湯(チンタン)スープをベースに、ブリを長時間煮出して抽出したブリの濃縮エキスや、加熱したブリを乾燥させて作るブリ節で深みのある味わいを目指した。

 日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、食文化を切り口にした海洋教育を中心に海の課題解決に向けたさまざまな事業を展開する一般社団法人「Blue Commons Japan(ブルーコモンズジャパン)」(函館市旭町)が開発。函館朝市に店を構える「函館朝市地(じ)ブリショップ」(若松町)や大門横丁内「函館ブリ塩ラーメンと酒と肴(さかな) カモン」(松風町)で提供しているほか、土産用の「函館ブリ塩ラーメン」を函館と近郊の土産物店などで販売している。

 同法人事務局長の國分晋吾さんは「近年急増したブリを新たな北海道の資源とすることで地域を盛り上げ、豊かな海の食文化を未来に引き継ぐことを目的に2020年に始めたブリ食文化づくりのアクションを評価していただき、本当に光栄なこと」と喜ぶ。今後に向けては、「だし原料に求められる『脂の少なさ』という特性を持つ道南産ブリを生かし、函館の食文化である塩ラーメンと融合させることで、引き続き新たなマーケットを開拓したい。海洋環境の変化に地域の食文化を適応させるモデルとしても活動していけたら」と展望を描く。

 食品部門優秀賞の「タラスミ」は、タラコを低温で熟成乾燥させ、ボラの卵で作る「からすみ」風に仕上げた新たな珍味。鹿部町でタラコ製造を手がける一印高田水産、イリエ船橋商店の2社と町が、未利用資源を活用した特産品開発を支援する農林水産省の交付金を活用し、3年がかりで商品化した。大きすぎて規格外となってしまう原卵を活用しており、常温で持ち帰りできる土産品として旅行者から人気を集めている。

 道の駅しかべ間歇泉公園のオリジナル商品「根昆布だし」に漬け込んだタラスミを製造するイリエ船橋商店営業部長の船橋敦子さんは「多くの人のアドバイスと協力により、大きすぎてタラコとして出荷できなかった原卵が付加価値のある商品となり、地元の人にも観光客にも喜ばれているのは本当にうれしい。アイデア次第でまだまだ活用できると思うので、可能性をさらに広げていけたら」と受賞を喜ぶ。

 箱館醸蔵(七飯町)の日本酒「郷宝(ごっほう)」に漬け込んだタラスミを製造する一印高田水産専務の高田未花さんも「受賞を機に『タラスミって何?』と興味を持つ人が増え、鹿部町や近隣を知るきっかけになればうれしい。手間がかかるので大量生産はできないが、お酒を愛する皆さんにとってお気に入りのおつまみになっていくよう、お客さまの声を聞いて、さらに工夫していきたい」と話す。

 このほか、食品部門奨励賞には檜山管内から「居酒屋和がや」(乙部町)の「ゆり根の和ぷりん(黒千石)」が選ばれた。

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