海の問題解決に向けたさまざまな取り組みを行う一般社団法人「Blue Commons Japan(ブルーコモンズジャパン)」(函館市旭町)が、近年北海道で漁獲が増えているブリを味の決め手にした「北海道ブリ醤油(しょうゆ)ラーメン」を開発した。
同法人は昨年6月、うまみ成分イノシン酸を多く含むブリの特性を生かした新たな食べ方として、函館塩ラーメンにブリのうまみを加えた「函館ブリ塩ラーメン」を開発。函館市内の2店で提供するほか土産品としても販売し、北海道新技術・新製品開発賞の食品部門で2022年度の大賞に選ばれた。
今回開発した北海道ブリ醤油ラーメンは、約10年で30倍以上も漁獲量が急増した北海道産ブリの認知や消費拡大に向けた取り組みを従来の函館エリアから北海道全域に広げるに当たり、新たに考案したもの。しょうゆ味の旭川ラーメンをベースに、函館ブリ塩ラーメンと同じくブリを煮出してうまみを凝縮したエキスを加え、「深みのある味わいを目指した」という。麺はブリ塩ラーメンより少し太いちぢれ麺タイプ。加熱したブリを乾燥させて作る「ブリ節」を粉砕した「ブリ粉」を仕上げにトッピングし、ブリの香りとうまみを際立たせる。生け締めまたは神経締めした道南産ブリに下味を付けて表面を炙(あぶ)った「ブリチャーシュー」も付く。
6月11日から函館朝市えきに市場内「函館朝市地(じ)ブリショップ」(若松町)で、12日から大門横丁内「函館ブリ塩ラーメンと酒と肴(さかな) カモン」(松風町)で、それぞれ提供を始める。2食入りの土産用ラーメン(1,080円。麺とスープのみ)も、函館市内と道内の土産物店などで順次販売する。
同法人事務局長で、日本財団「海と日本プロジェクト」海のごちそうプロジェクトプロデューサーを務める國分晋吾さんは「海洋環境の変化などによって全国各地で捕れる魚が変化している問題は、なかなか一般消費者に伝わりにくい。本年度からは『北海道ブリリアントアクション』のプロジェクト名を掲げ、漁業や水産に関わる人や消費者を含め、みんなで北海道のブリについて考え、行動する新たなムーブメントを作りたい」と意欲を見せる。札幌や旭川など他地域のグルメイベントに出店し、北海道ブリ醤油ラーメンを提供する構想もあるという。