函館市の魚に「イカ」が制定され30周年を迎える今年も、函館水産物マイスター養成協議会が「第13回函館イカマイスター認定試験」の受験者を募集している。
函館市の魚種別の生産額は昆布とスルメイカが突出しており、毎年6月1日にイカ漁が解禁され、「いさり火」と呼ばれる強い光をともした船が出港する様子が風物詩にもなっている。
函館にとって重要な資源であるイカについて熟知する「函館イカマイスター」は、日本唯一の水産業の総合団体である大日本水産会からも認定され、名刺や履歴書などにも記載できる資格となっている。受験するには3日間の養成講習会で学ぶ必要がある。今年の講習会は11月2日~4日で、2日・3日は「函館市国際水産・海洋総合研究センター」(函館市弁天町)で函館市の水産業やイカの分類・生態を学ぶ座学とイカの解剖、4日は「函館短期大学付設調理製菓専門学校」(柏木町)でイカの調理法を学び、イカへの理解を深めた上で同17日の認定試験に臨む。
10月5日に開催された「函館いか祭り」では、イカの記録的な不漁により即売会が中止となるほど、イカの不漁が問題となっている。講習会では、近年のイカの不漁の原因についても解説。事務局を務める函館国際水産・海洋都市推進機構の高原英生さんは「テキストも毎年改訂し、イカについて学ぶために充実した内容となっている」と話す。
昨年の受験者数は43人。合格率は76%で、合格者の中には高校1年生もいたという。「受験者は函館市内の水産加工業者や居酒屋を営んでいる人が多く、中には東京など関東や関西からの受験者もいる」
大きな課題は受験者数の減少。初年度は186人いたが、年々増減を繰り返し、この2年は40人台が続いている。対策について、高原さんは「イカが獲れる青森県八戸市や、同じく青森の浅虫水族館、東京の全国いか加工業協同組合や日本イカ連合などにチラシを配布したり、SNSを活用して水産庁のフェイスブックからもアプローチしたりと、積極的な広報活動を行っている」とPRに力を入れているという。
受講受験料は5,000円(郵送での申し込みは5,360円)。定員は80人。申し込み締め切りは10月28日。