国と北海道がイベントの開催制限緩和を決めたのを受け、函館市教育委員会が所管する施設の利用制限が10月1日以降、順次緩和されている。
国が示した催物の開催制限についての指針に準じて制限を緩和する
制限緩和の内容は国や道の指針に準じており、収容率については、大声での歓声や声援などが無いことを前提としたクラシック音楽コンサート、演劇、講演会などは100%以内に緩和し、最低限、人と人が接触しない程度の間隔を保てばよいこととする。
ロックコンサートやスポーツイベントなど、その他の催しについては「大声での歓声や声援などが想定されるもの」として50%以内とする。人と人との間隔は1メートル確保することを求めるが、5人以内の同一グループ内では座席間隔を空けなくてもよい。異なるグループ間では座席を1席空けることとする。
人数上限については、収容人数が1万人を超える施設は収容人数の50%とし、1万人以下の施設は5000人までとする。実際にイベントを開催する際は、収容率と人数上限のどちらか小さい数を限度とする。一例として函館アリーナのメインアリーナでは、大声を出さない催しなら5000人までのイベント開催が可能に。ロックコンサートやスポーツイベントは大声での声援などが予想されるため、これまで通り2500人までの人数制限を設ける。
これらの緩和措置は、イベント主催者と施設管理者の双方が該当する業種別ガイドラインに従って適切な感染防止対策を実施する場合に限って適用される。対象期間は当面11月末日まで。
イベント開催制限の緩和を受けて、開催規模の拡大を決めた団体も現れた。10月10日に亀田交流プラザの講堂で4回の公演を予定している劇団「芝居組『虎』」は、会場の収容人数の約10%に当たる50人としていた各回の定員を70人に増やすことを決めた。
緩和された基準によれば演劇の公演は収容率100%とすることができるが、「急に大幅に増やせば来場者に戸惑いや不安を与えてしまう」と、会場と相談したうえで各回20席の増席にとどめた。観客が空席を探して会場内を歩き回るのを最小限にするため、初の試みとして3人以上のグループなどはあらかじめ主催者側で席を指定する。
同劇団を主宰し上演時の感染対策にも気を配る金谷藍子さんは「演劇も変わらなければいけない時代になったと思うが、函館で演劇の公演ができたという事実が成功例となって、今後さまざまな文化団体が再びにぎわっていくきっかけになれれば」と力を込める。