函館市は2021年1月から、閑散期の観光誘客を促進するキャンペーン「函館の冬割」を実施する。市内宿泊施設の宿泊客を対象に飲食店などで使えるクーポン券を配布するほか、宿泊代金の最大半額を助成する。
市が12月7日に発表した2020年度上期の観光入込客数推計によれば、4月~9月に函館を訪れた観光客は約184万1000人で、前年同期の約343万9000人に比べて46.5%減少。外国人宿泊者は前年同期(約21万4000人)から99.3%減り、約1,500人にとどまった。
こうした状況を受け、工藤寿樹市長は11月26日の会見で「観光業界は大きな傷を負っている。(観光業は)観光都市函館の一番の産業であり、落ち込みを放っておくわけにはいかない」と発言。市の新型コロナウイルス感染症緊急対策として第5次補正予算を組み、17億1,000万円を冬の観光誘客促進事業に充てることとした。
まず1月4日から、市内の対象ホテル・旅館などに宿泊した人に、市内の飲食店で利用できる「函館市グルメクーポン」を配布。宿泊1予約につき、1人当たり1セット(2,000円分)を宿泊時に手渡す。配布期間は3月31日までだが、25万セットが無くなり次第終了する。
GoToトラベル事業が終わるとされている2月1日からは、市内の対象宿泊施設に宿泊するか、対象宿泊商品を販売する旅行会社などで予約・宿泊した場合、1人1泊5,000円以上の旅行商品に対して市が独自に半額分を助成し、支払総額から割り引く。1人1泊当たり1万円が上限で、3連泊まで。交通費を含む1万円以上の函館市内パッケージ商品を利用する場合、3連泊を上限として1人1泊当たり5,000円を割り引く。2月以降もGoToトラベル事業が継続された場合は、併用して割り引きを受けることができる。実施期間は3月31日まで。
なお、国の緊急事態宣言が出たり、北海道で警戒ステージ5が発令されたりした場合などはキャンペーンを中止する可能性がある。
このほか、3密を避けて屋外で楽しめる冬の催しも企画。1月8日~3月27日の金曜・土曜・祝前日の20時から約10分間、「はこだて週末冬花火」と題して函館港「緑の島」から花火を打ち上げる。元町公園と基坂では、プロジェクションマッピングなどの演出で幻想的な光の世界を表現する「はこだて冬の万華鏡」を開催。基坂は1月4日~3月31日の17時~22時、元町公園は2月10日~3月27日の金曜・土曜・祝前日の18時~20時30分。
※「函館の冬割」は、首都圏での緊急事態宣言発令を受けて新規予約受け付けを中止しました(1月7日発表)
※2月10日からの開催を予定していた元町公園での光の演出は、10都府県での緊急事態宣言延長を受けて延期が決まりました。緊急事態宣言解除後の開催を検討しているとのことです(2月3日発表)