函館湯の川温泉旅館協同組合(事務局=函館市湯川町2)が9月21日、湯の川温泉で楽しめる体験プログラムが予約できるサイト「ゆのぶら」を開設した。
湯の川温泉ではこれまでもさまざまな体験プログラムが組まれていたが、各宿泊施設が宿泊客を対象に行っているケースが多く、宿泊施設の垣根を越えて体験プログラムを一つにまとめたサイトもなかった。
そこで同組合は、旅行前に体験プログラムの閲覧から予約、決済までできるようにすることで温泉街の幅広い魅力を周知しようと体験予約サイトの開設を企画。北海道観光振興機構の「令和4年度地域の魅力を活(い)かした観光地づくり推進事業」の採択を受け、補助金を活用してサイトを構築した。
サイトには、温泉の日帰り入浴やコーヒーのいれ方体験、レンタサイクル、個室貸切での温泉卓球など15の体験プログラムを掲載。湯の川温泉発祥の地とされる湯倉神社での昇殿参拝と祝詞(のりと)を書き写す写詞(しゃし)体験も用意した。
各プログラムは、湯の川温泉の旅館・ホテルが地域の店や施設、講師らと交渉して企画しており、今後も参画する宿泊施設を増やすとともに湯の川商店街や旅行業者などとも連携し、さらにプログラムを増やしていく考え。
同組合副理事長の西村有人さんは「面白そうなプログラムがあっても、電話予約が必要な時点で参加のハードルが上がってしまう。今は手持ちのスマートフォンから簡単に予約できることが求められているはず」と予約サイトの意義を説明する。今後の展望について、「自然と触れ合うアクティビティーなど、さらにプログラムを増やし、毎日どこかで何かの体験ができる湯の川温泉にしていきたい。旅行者が湯の川を回遊する仕組みを作り、域内で経済が循環する持続可能な観光地づくりができれば」と話す。
併せて、宿泊施設内を利用した体験教室を開きたい講師など、湯の川温泉とコラボレーションした体験プログラムを実施したい個人や事業からの相談も受け付ける。西村さんは「湯の川に宿泊したお客さんはもちろん、函館駅前に宿泊した人も地元にお住まいの方も幅広く『ゆのぶら』を活用していただき、湯の川に足を運んでもらえたら」と利用を呼びかける。