水産加工会社の山大 (函館市西桔梗町)が11月28日、 函館市南茅部(みなみかやべ)地区で取れた天然真昆布のうち、最高等級のものだけを使った液体調味料「天然函館真昆布だし 『一(いち)』」を発売した。
同地区産の真昆布は切り口が白いことから「白口浜真昆布」と呼ばれ、かつては朝廷や将軍家に献上していたことから「献上昆布」の異名を持つ。澄んだ良質なだしが取れることから、関西を中心に全国に流通しているが、そのほとんどは海中に伸ばしたロープに種苗を付けて育てた養殖昆布。身が厚く、より上質なだしが取れるとされる天然物は、台風被害や海水温の上昇、ウニによる食害などさまざまな要因で激減しており、近年の天然物の取扱高は養殖昆布の1%にも満たない。
同社は今回、希少かつ高価で入手しにくい天然物の函館真昆布のおいしさをより多くの人に知ってもらうため、液体だしへの加工を発案。天然真昆布のうち、北海道水産物検査協会による品質検査で最高等級の「一等検」に認められたものだけを使う。同社広報の上村瑛子さんは「生産量日本一の函館の昆布の魅力を全国に向けて発信できたら」と話す。
希望小売価格は、300ミリリットル入り=1,080円、500ミリリットル入り=1,458円。公式オンラインショップや市内土産物店などで扱う予定。