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函館末広町の料理店「パザールバザール」閉店へ 新天地は由仁町の一軒家

廃材を利用してセルフビルドした階段に立つ國立大喜さん

廃材を利用してセルフビルドした階段に立つ國立大喜さん

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 スパイスカレーとトルコ料理の店「PAZAR BAZAR(パザールバザール)」(函館市末広町)が7月21日、移転に向け閉店する。

旅立ちを告げる「パザールバザール」の看板

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 同店は2010(平成22)年にオープン。店主の國立大喜さんは、旅行が好きで、世界各地で味わった料理の中でトルコ料理の印象が深かったことから、トルコに8か月間滞在し、本場の味を研究した。

 二十軒坂にある現在の物件との出会いは同年2月。「いつか店をやりたい」と思っていた國立さん。ぼんやりと想像していたイメージは、物件に入った瞬間にピタリと結び付いた。

 内装は後に妻となる朋佳さんと、当時鍛治町にあった無国籍料理店「ごはん屋ネハナ」の友人と共に自分たちで手掛けた。茂辺地にあった築100年の家の祖母の旧家の廃材で階段や柱を組み立てた。4月に開店し、6月に結婚。

 作りたかったのは料理だけでなく、人と人のつながり。店内での飲食提供のほか、毎年夏に元町公園で開催される「はこだて国際民俗芸術祭」への出店や、春と秋に函館の西部地区で開催される「バル街」に参加するなど、食を通じて地域と積極的に関わってきた。

 淡路島のミュージシャン「えま&慧奏」などの音楽ライブや、函館在住の大西功一さん監督の映画上映など、イベントを自ら主催することも多くあった。

 10年がたち、いつか家の付いた店を持ちたいと思ったとき、「面白いところがあるよ」と紹介されたのが夕張郡由仁町の古い農家の一軒家。「何もなくてとても居心地がいいところ」と感じた。何度か通っているうちに決めた。「自宅、宿、キッチンを作りたい」と新たな夢が生まれた。

 末広町では21日に店を閉じる。店内での飲食は最終日まで予約が埋まっているが、テークアウトは予約可能な時間帯がある。秋までは函館と由仁を行き来しながら、オンラインショップは継続する。

「実家は函館にあり、いつでも来られる距離。函館のイベントにもまた来たい。すぐにできるか分からないがいつか宿も作りたい。函館から遊びに訪れてもらえたら」と國立さん。

 都度のイベントを「旅するように楽しんできた」という「パザールバザール」の新たな旅立ち。由仁の新店も名前は「パザールバザール」になる予定。

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