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函館・五稜郭公園の堀で「水上ライブ」 3密を避けた新たな舞台芸術に

演奏者と観客との距離を保つため五稜郭公園の堀に浮かぶボートの上で演奏する

演奏者と観客との距離を保つため五稜郭公園の堀に浮かぶボートの上で演奏する

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 五稜郭公園の堀に浮かべたボートの上で演奏を行う新たな試み「モーツ・アート」が7月18日、始まった。

来場者は堀の周囲や橋の上から観覧する

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 世界各地の音楽や民族舞踊などをテーマとした屋外ライブイベント「はこだて国際民俗芸術祭」などを企画運営するワールズ・ミート・ジャパンが主催する。2008(平成20)年に市民有志が始めた芸術祭は函館の夏を彩るイベントとして定着し、昨年は国内を含む11カ国から100人余りのアーティストが参加し、期間中の来場者数は約2万5000人に上った。13回目となるはずだった今年は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて4月に「従来の方式での開催を断念する」と発表。代替として、今までとは異なる内容での開催スタイルを模索してきた。

 「演奏者と観客との距離を保つために五稜郭公園の堀に浮かべたボートの上で演奏する」というアイデアは当初、前例がないこともあってスタッフ内でも実現性が低いと受け止められていたという。ところが実際に動き出してみると函館市を始め各方面からの協力が得られることとなり、一気に実現へと進んだ。ボートの上でも「密」を避けるため、3隻のボートをロープで一列につなぎ、それぞれにこぎ手、演奏者、動画撮影者が乗る方式を考案。「距離の確保」を実現した新たな舞台芸術にしたいとの思いを込め、堀を意味する「モート」と「アート」を組み合わせた「モーツ・アート」と名付けた。

 初日は市内在住の作曲家でバイオリニストのソーントン・トーマスさんが11時30分ごろから演奏を始め、水面に澄んだ音色を響かせた。堀の周辺や橋の上にはイベントを知って駆け付けた市民や通りがかった観光客らが集まり、曲が終わる度に温かい拍手を送った。

 ワールズ・ミート・ジャパンの担当者は「予想以上に多くの来場があり、多くの方がイベントを欲していたと感じた。この取り組みが、こうした状況でも楽しめること、できることを考えるきっかけになればうれしい」と話す。

 モーツ・アートは8月30日までの水曜17時~18時30分と土曜・日曜の11時30分~13時に開催予定。出演を希望する演奏者も募集している。

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