函館の焼き肉店「焼肉物語 牛若」(函館市本町)が、来店前にスマートフォンやパソコンから注文と決済を済ませる「事前注文・決済」システムを導入して3カ月がたった。
同店は非接触化の一環として、メニューに記載しているQRコードをスマートフォンで読み込んで注文する「セルフオーダーシステム」を昨年1月に導入。店員が接客する機会は減ったが、感染防止対策に力を入れている店としてアピールできているという。これを踏まえ、さらなる感染防止対策につながればと「事前注文・決済」システムの導入を決めた。
同システム利用客は、当日食べたい商品を事前にネット上で選んで注文し、決済もネット上で行う。当日は来店するだけで注文した料理がテーブルに届く。支払いも済ませてあるため、食後はそのまま店を出られる。
感染対策上のメリットについて、我孫子麻衣店長は「事前に注文していただければ料理の提供時間が短くなり、レジでの支払いもないので滞在時間の短縮につながる」と説明。「これまでは、お酒を飲んだ勢いで食べきれないほど注文してしまい、残していく人も少なくなかった。システム導入後は食べられる分だけ注文する人が増え、食品の廃棄が減った」とフードロス削減にも効果があったと話す。会計の手間が減ることで、帰り際に同行者を待たせたり、接待の相手に支払額を悟られたりすることもなくなり、利用客からは好意的な声が寄せられているという。
「事前注文・決済」システムを利用しても、当日食べ足りなかった場合はその場で追加注文できる。今後は、自宅から同店までの往復のタクシー料金も併せて事前決済できる仕組みの導入に向け準備を進めているという。
同店に併設する精肉店「肉LABO WAKA(肉ラボ ワカ)」でも、店内飲食と同様の事前注文・決済方式を導入。マイカーで受け取りに行く場合は、およその時間や車種・ナンバーをサイト経由で伝えておくと、車から降りずに商品を受け取ることができる。