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小学4年で書いた「函館本」 函館の画家・月村朝子さんが31年ぶりに復刻

小学4年生の時に書いた冊子を掲げる月村さん

小学4年生の時に書いた冊子を掲げる月村さん

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 1991(平成3)年に当時の小学4年生が自由研究の作品として作った冊子「はこだての街」が本人の手によって31年ぶりに復刻された。3月14日、数量限定で販売を始めた。

五稜郭を紹介したページ

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 冊子を作ったのは、当時横浜に住んでいた月村朝子さん。祖父母が函館に住んでいたことから、夏冬の長期休みには決まって函館を訪ねていた。「函館が楽しくてたまらず、遊びに来る度に『何て良いところなんだろう。老後は絶対にここに住みたい』と思っていた」と月村さん。函館で過ごした楽しい時間を記録に残そうと考え、自由研究として自分が見聞きした函館を冊子の形にまとめた。

 成長を経てからもずっと「はこだての街」を手元に置いて読み返し、函館の魅力を感じながら街を歩いていた頃の楽しい思い出を何度もかみしめていたという。昨年、冊子の写真を撮ってSNSに載せたところ「復刻してみては」との声が寄せられ、「自分では思いつかなかったが、とてもワクワクする考えだった」ことから、今回の復刻が実現した。

 冊子は、五稜郭公園やはこだて明治館などの観光スポットをイラストと写真、文で紹介する内容。先代の五稜郭タワーや市立函館博物館五稜郭分館、ベイエリアにあった「人形館」など、今はない風景や建物も登場する。函館の冬について解説したページもあり、「ストーブから2メートルはなれるとすごくさむい」など、小学4年生のリアルな感想もうかがえる。

 現在は函館に住み、画家として活動する月村さん。「『函館は楽しくて大好き』という当時の私の思いや、函館がくれた思い出を、読んでくれた人と少しでも共有できたら」と話す。

 1冊1,000円。手作りで20冊制作し、カフェ「のらいぬ」(函館市入舟町)で4月3日まで開く「月村朝子スケッチ展」で販売する。今後、印刷・製本して販売する計画もあるという。

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